先日、イザナミレーシングは引退したフォーク・オグラの後任として、2名の女性ドライバーを発表したが、彼女たちのマシンは非常に興味深く、関係者やファンも大きな期待を寄せている。
両者のマシン、IZN-010CとIZN-011は全く違うデザインをしており、おそらくイザナミレーシングは2台体制という利点を生かし、ライバルチームに別角度の方向性からチャレンジを仕掛けるようだ。
浅河カナタの新マシン 昨季モデルをベース
浅河カナタのマシン、IZN-010Cは、フォークオグラの昨季モデル010Bの改良版だ。
昨季モデルの特徴でもあった2枚型のフラップ式フロントウイングは、位置が下方向に下げられており、最上部にはヘッドライトを兼ねたフラップが追加され、3枚型にしてダウンフォースを向上した。
これにより、フロントフェンダー部分にあったヘッドライトは廃止。
更にコックピット上部に取り付けられていたインダクションポッドも撤去されており、吸気よりも空気抵抗を優先しているように見える。
そして、昨季モデルからの変化が最も大きい部分はリヤウイングだ。
左右独立型のリヤウイングにより、コーナリングする方向に合わせて最適なダウンフォースに調整するためのものだろう。
後にも紹介する小町のマシンにもこのソリューションが採用されているが、後方のマシンが接近しやすいのではないかという意見もあるため、良くも悪くもこのリヤウイングがイザナミの勝敗を分けるのかもしれない。
ともあれ、昨季ロレンツォとアリスに匹敵する速さを見せたマシンをベースにアップグレードしているIZN-010Cと浅河が上位を狙えるポテンシャルがあることは間違いない。
小町永遠の新マシン チャレンジングな設計
対して、小町永遠のマシン、IZN-011が発表された時は印象的だった。
これまでのNEXマシンとは一線を画す、丸みを帯びたマシンはどのような走りを見せるのだろうか。
このコンセプトは、おそらく小町の身長に合わせ、コックピットをフロントに持って来たことから出来上がったのだと考えられている。
コックピットの位置がリヤに行けば行くほど、身長が低いレーサーにとっては、視界が悪くなるためドライバビリティに影響を及ぼす。
その分コックピット位置を高くする対応も出来るが、重心が高くなるデメリットは拭えないため、このアプローチを採用したのだろう。バイフーの劉悠然もこれに近い。
しかし、それ以上に独創的なのは、極端なほどのショートホイールベースという所だ。
高速コーナーでの安定性を失う代わりに、小回りの利くクイックなコーナリングを可能とすることから、サーキット・デ・プランシポテのような低速コースでは、無類の強さを発揮するかもしれない。
それに加え、コーナリングの自由度を上げる左右独立型のリヤウイングがどこまで機能するのかにも期待してみたい。
イザナミの新マシン まとめ
まとめると、イザナミレーシングは2台体制でのエントリーを活かし、IZN-010CとIZN-011の全く違う方向性のマシンを投入する。
浅河カナタは、実績のある昨季マシンをベースにしたマシンで挑み、小町永遠は、他に類を見ないショートホイールベースのテクニカルマシンを駆る。
二人の得意とするサーキットや、ドライビングでどう結果が変わるのが楽しみだ。
2台のマシンの、シャシーやブレーキ、サスペンションなどの詳しいスペックは、以下の書籍で確認できる。
20ページに及ぶ、ハイスピ内では未公開の情報は必見だ!
\ ハイスピ内未公開の情報盛り沢山! /
コメント