セーフティーカーでレース展開が変わる理由

NEXレース
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今季のNEXレースは、新チームや日本人ルーキーの活躍などもあり、より一層の盛り上がりを見せている。

しかし、今までNEXレースを観たことがなかった視聴者にとっては、聞いたことのない専門用語が多用されたり、事故による展開の変化などで理解が追い付かないことも多くあるだろう。

その筆頭と言えるのがセーフティーカーだ。

SCと略されることも知っておいた方がよい。

セーフティーカーは、レース中の安全を確保することを目的として導入されるが、レースの展開に大きく影響を与えることもあるため、今一度SC導入中のルールや、基礎知識を理解しておく必要がある。

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セーフティーカーとは? 目的や導入の条件

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前戦、第6戦モナコGPでは、2度のセーフティーカーが導入された。

マシンが接触やクラッシュなどをした際に、破損したパーツなどがコース上に散乱し、障害物となることがある。

そのままレースを続行していると、高速で走っているマシンに危険があることはもちろん、その障害物を掃除するスタッフ(マーシャル)を送ろうにも、次から次へとマシンが通過していくため非常に危険だ。

障害物を除去するには、マシンが走っていない一定の時間が必要となるため、セーフティーカーが導入され、全てのマシンの隊列を整えて先導する。

セーフティーカー先導の隊列が通過したら、しばらくはマシンは来ないため、スタッフが掃除を開始したり再開をしやすくなるのだ。

モナコGPでは、3周目のクラッシュからSCが導入され、SCが解除されたのが8周目。

つまり、隊列が5周する間に、スタッフが掃除や撤去を完了させたということだ。

ちなみに、障害物の撤去が容易だと判断される際は、セーフティーカーを導入せずに、障害物がある区間だけスローダウンを行うよう指示されるだけの場合もある。

これはイエローフラッグ、またはイエローフラッグ区間とも言う。

セーフティーカー先導中のルールや課題

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セーフティーカー先導中は、一列になって隊列を組むことに加え、一定の車間距離の維持、追い越しも禁止される。

そのため、レース中に築いた後続車とのギャップや、先行車との距離が縮まることになる。

つまり、順位は保ったまま各車の差は縮まり、それまでのリードやギャップはリセットされるということ。

速い車にとってはアンラッキー、遅い車にとってはラッキーだ。

また、セーフティーカー先導中はレースペースよりも遅く走らざるを得ない。

NEXレースで使用されるタイヤは、摩擦熱を加えて路面との接着力を高めることで、高速走行時でも遠心力に耐えられるだけのグリップを確保している。

遅く走れば摩擦熱が加わりにくく、タイヤグリップの低下に繋がってしまうため、各車SC先導中でも、右に左にハンドルを切りながらレース再開に備えている。

フラフラと走っているのは、ブロックでもなく煽り運転でもないことを理解しておこう。

セーフティーカーがレース戦略へ与える影響

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セーフティーカーがレースへ与える影響は、各車のギャップが縮まるだけではない。

第6戦モナコGPでの1回目のSC導入の際は、たまたま浅河カナタのマシンがピットレーン出口で止まってしまったためピットインが禁止されていたが、通常はピットインが可能だ。

ピットインは、タイヤ交換や制限速度のあるピットレーンを走行するため、普通に1周を走るタイムに加え、約20秒ほどのタイムロスが加算されてしまう。

しかし、セーフティーカー導入中であればどうだろう。

そのピットインによって発生した20秒の差も、一列になって隊列を組んで走行しないといけないため、すぐに最後尾に追い付き、1位との差は一列分しかなくなる。

つまり、セーフティーカー中にタイヤ交換を行えば、ロスタイムをより小さく出来るということだ。

モナコGPでの2回目のセーフティーカーの際に、各車こぞってピットインしていったのは、丁度タイヤ交換の時期ともあり、このタイミングでピットインをすれば得であるし、逆に言えば、このタイミングでピットインしないと不利になる状況であったのだ。

その状況の中で、ピットインしなかったエメリッヒと若松は、一時的にでも1位や2位に出て、後方を抑えてからピットインして追い上げるという変則的な作戦を取ったと言える。

劉悠然も同じタイミングでピットインを選ばなかったが、それは2周前に既にピットインをしていたため、タイヤを変える必要はないと判断したからだ。

その代わり、他の車両よりも2周分多く使い込んでしまったタイヤで、残りレースを戦わなければならない状況にもなった。

セーフティーカーは安全を確保するために導入されるが、思いのほか、レース展開を大きく揺るがしてしまう存在でもあるのだ。

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セーフティーカー まとめ

最後に、これまでの要所をまとめよう。

■セーフティーカー

【目的】悪天候や障害物の撤去など、コース上の安全を確保するために導入される。

【ルール】隊列を組み、一定の車間距離を維持、追い越しが禁止。

【影響】タイヤ熱が冷める、車間距離がリセットされる、ピットインのロスタイムが少なくなる。

レース初心者には難しい内容かもしれないが、よく理解して、残りシーズンのNEXレースを楽しんで頂けると幸いだ。

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