今季NEXレースは、気が付けばもう後半戦。
ラ・パ・オルチスサーキットにて、NEXレース第9戦ブラジルGPが開催された。
特別レギュレーションとして、以前から検討されていたリボルバーストの周回制限が試験的に解除され、本レースでは1周目からの使用が可能。4本あるストレートのどこで序盤の勝負をかけるのかに注目が集まった。
60周のレースは気温25℃、路面温度55℃のドライコンディションで開幕。標高800mの高原地帯に位置するため天候が変わりやすく、レース中に通り雨が降ることで有名だが、この日はまさにその特性がレースを大きく動かした。
スターティンググリッドは、ポールポジションがロレンツォ・M・サルヴァトーレ。その横、フロントローに並ぶのはA.サマーウッド。
3番R.パーカー、4番グリッドはB.エメリッヒが獲得した。
5番、劉悠然。6番は浅河カナタが奮起し、今季最高グリッドを確保。
以下、7番グリッド以降は、ADF AI、若松やよい、小町永遠、M.ワイズ、輪堂凛。最後尾にはソフィア・B・時任が滑り込んだ。
緊張のスタート、魅せたのは最後尾発進のソフィアだった。
スタート位置が1コーナーまで距離のある後方であることを活かし、ブラックアウト直後にリボルバーストを発動。針に糸を通すかの如く、中団のマシンを搔い潜ると、一瞬にしてキングとクイーンに到達。1コーナーでけん制し合った二人の間を駆け、バックストレートでは余裕の単独首位へ躍り出た。
他のドライバーもリボルバーストを返して追うが、ソフィアはラップリーダーを堅守。
20周目を皮切りに、1回目のピットが動き出す。
5位パーカーは、同じタイミングで入ったADF AIにポジションを明け渡し、翌周には7位小町、8位浅河も同ラップでピットに入った。
ソフィアがステイアウトを続けるのに対し、22周目には、サルヴァトーレとサマーウッドがアンダーカットを狙ってピットイン。
28周目に輪堂がピットに入ると、トップ ソフィア以外の全車が第2スティントへの突入する。
46周目、ポレイユのピットクルーが動きだしたため、ロングスティントでの限界を迎えたソフィアがピットに入るかと思われたが、そのままホームストレートを通過。
サルヴァトーレ、サマーウッドが2回目のピットに入っても尚、ステイアウトを続けるソフィアに作戦ミスがあったに思われたが、この判断が幸運の女神を呼び寄せた。
少し前から曇りだしたラ・パ・オルチスサーキットのセクター1付近で雨が降り始めると、ソフィアがようやくピットイン。
判断が遅れたサルヴァトーレとサマーウッドは、ドライタイヤで雨脚の強まったサーキットを1周分我慢せねばならず、目の前に迫ったソフィアはまたしても遥か彼方へ。
また、ソフィアより一足早くピットに入っていた最下位の輪堂凛も、チーム武戦の抜群の判断によりウェットタイヤへの装着が間に合っており、一気に2位まで浮上。
ソフィア、輪堂のまさかのワンツー体制となり、レースは一変。
しかし、幸運の女神は1人のレーサーにしか微笑むことを選ばなかった。
ラスト2周となった59周目、輪堂凛は更なるポジションアップを狙って最終コーナーでリボルバーストを発動するも、グリップを失いウォールにクラッシュ。
イエローフラッグが出されたままファイナルラップを終え、ソフィア・B・時任が劇的な展開のレースで、今季初勝利を飾った。
2位にはサルヴァトーレ、3位サマーウッド。
以下、最終リザルトとなる。
順位 | ドライバー | チーム |
---|---|---|
1位 | B・時任 | ポレイユ |
2位 | M・サルヴァトーレ | アドリアーノ |
3位 | A・サマーウッド | アリアンロッド |
4位 | 劉 悠然 | バイフー |
5位 | R・パーカー | アリアンロッド |
6位 | ADF AI | アドリアーノ |
7位 | 浅河 カナタ | イザナミ |
8位 | 小町 永遠 | イザナミ |
9位 | M・ワイズ | アメリカンオート |
10位 | 若松 弥生 | マッサカ |
11位 | B・エメリッヒ | ジン |
12位(DNF) | 輪堂 凛 | 武戦 |
DNQ | PLR AI | ポレイユ |
DNQ | AAR AI | アメリカンオート |
DNQ | A・サエリ | ディアボロス |
DNQ | BHR AI | バイフー |
DNQ | JNR AI | ジン |
DNQ | TDB AI | ディアボロス |
レース後、ソフィアは「キングとクイーンに立ち向かうことを思い出させてもらった」とコメント。
久々に優勝を逃したキングは「これだから彼女とは戦いたくないよ。幸運の女神に愛された者に勝つ方法を、私はまだ知らない。」とレースを振り返った。
また、初の表彰台を目前にして大クラッシュを期したチーム武戦は、今季のレース継続は難しいと深刻な状況。ここまで予選や決勝で時折強さを見せていた新チームだが、年齢的かつ経験的にも若いドライバーの起用により、現在岐路に立たされている様子が伺えた。
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下記、ポイントランキングです。(Rd.9更新)
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