【NEX第10戦中国GP】母国で悲願の優勝「楽しかった」

NEXレース第10戦、中国GPが開催された。

舞台となる白玉蘭（バイユーラン）サーキットはこの日、気温19℃、路面温度は29℃のドライコンディションであったため、ソフトタイヤでのスタートを選択するチームが多く見られた。

ポールポジションは、ロレンツォ・M・サルヴァトーレ。同じくフロントローを獲得したのはA.サマーウッド。

3番グリッドにR.パーカー。4番手には、今大会からニューマシンで挑む武戦の輪堂凛が見事な予選アタックを披露し獲得。

5番グリッドに母国GPとなる劉悠然、その横6番グリッドにADF AI。

以下、7番以降がB.エメリッヒ、若松やよい、浅河カナタ、小町永遠、BHR AI。

前戦ウィナーのソフィア・B・時任がグリッド最後尾に付き、戦いの火蓋が切って落とされた。

リンク

レースは、スタート直後からイエローフラッグが発令される事態に。前戦クラッシュからの復活を遂げた輪堂のマシンが、グリッドに着いて早々シャットダウン。予選でペースを見せていたニューマシンであったが、重大な欠陥が浮き彫りになった。

レースが再開されたのは5周目。

リスタートに備えていたサマーウッドが、サルヴァトーレのスリップストリームに上手く入り、1コーナーでトップへ躍り出る。

パーカーも、ペースの上がらないサルヴァトーレを軽々と抜き去り、早くもアリアンロッドの1-2体制が形成される展開。サルヴァトーレは、そのままスローダウンしピットでレースを終えてしまう。

第一スティント、いち早く動いたのはイザナミの浅河と小町、そしてエメリッヒ。コース上で、順位が入れ替わっており、そのまま16周目にピットイン。

19周目までに4位以下の全車がピットを終え、残るは上位3台が動向を伺う。

路面温度の低い状況ではアウトラップが不利になるため、オーバーカットが理想的ではあったが、バイフーが先に痺れを切らし、悠然は20周目にピットイン。

アリアンロッドにステイアウトを許し、定石通りサマーウッドが21周目に、パーカーが22周目にピットを終えて、サルヴァトーレのいないレースを完璧にコントロールし始めた。

一矢報いたい悠然であったが、スタート以降着実に順位を上げてきた浅河に、1コーナーでインを突かれると小町もそれに続き、悠然は5位へポジションダウン。

しばらくレースは落ち着くが、35周目に悠然が再び動く。

パーカーのブロックに合う浅河と小町の隙を突くと、立ち上がりに失敗したパーカーまでをも射止める、3台抜きを披露。

37周目、悠然が最後のピットイン。

その間に浅河も、ワンストップでタイヤに苦しむパーカーを攻略すると、一気にリードを広げ、39周目の2回目のピットインを終えても尚、僅かにパーカーの前に出ることに成功した。

レースは終盤、女王の盾によりワンストップを成功させる算段であったクイーン（サマーウッド）は、猛追する悠然と浅河の射程圏内に完全に入ってしまう形となった。

浅河は残していたリボルバーストで悠然を抜くと、いよいよファイナルラップでサマーウッドへ仕掛ける。

しかし、最終コーナー手前でサマーウッドがバンピーなアウト側への誘導していたのか、浅河が痛恨のスピン。そして、その2人の隙を突いて悠然がイン側を狙った。

最終コーナー出口で悠然が前に出たが、中国のチェッカーフラッグは遠い。スリップストリームで加速したサマーウッドがまたしても悠然を捉え、サイドバイサイドの状態のまま、ほぼ同時にチェッカー。

リプレイ判定の結果、グランドスタンドの熱狂と母国の大観衆によって、僅か前に押し出された劉悠然がフィニッシュラインを先に通過しており、見事NEXレース初優勝を中国で手にした。

惜しくもサマーウッドが2位。

以下、リザルトとなる。