今季NEXレースも世界各地を飛び回り、ついに残すは最終戦のみとなった。
その最終戦を彩るのはネオ富士SWではなく、NEX初開催となる大阪だ。
大阪関西万博でのNEXマシンの原動力「HyPER」が発表されて以降、日々サーキット建設が進められて来ており、一時は延期も危ぶまれたが、無事に予定通りの開催に至った。
日本のファンにとって喜ばしいことはもちろんだが、今季はロレンツォとサマーウッドのチャンピオン争いが最終戦にもつれこんでいることもあり、世界のNEXファンが今なお熱狂中である。
今回はチャンピオン争いはもちろんのこと、その他の注目ポイントも含め、NEX最終戦に向けて準備を整えておこう。
チャンピオン争いの行方 決定条件は?
今季は、ポレイユのソフィア・B・時任と、バイフーの劉悠然が1勝ずつを上げるなど、NEX史上最も多くの勝者を生む頼もしいシーズンとなっている。
しかしながら、ロレンツォ・M・サルヴァトーレは7勝、アリス・サマーウッドは3勝と、この二人の強さには遠く及ばず、キングvsクイーンの構図は変わらなかった。
中でもロレンツォの7勝は圧倒的であるが、今季はアリスが開幕から10戦連続表彰台と安定的にポイントを獲得していたため、最終戦を迎えた時点でのポイントは、ロレンツォが101pts、アリスが98ptsと、その差はたった3点差しかない。
つまり、アリスが1位を獲得した時点で、新チャンピオンが決定する。
以下にそれぞれのチャンピオン決定条件を記載する。
※1位12ptsー2位8ptsー3位4ptsー4位2ptsー5位1pts
ロレンツォ | アリス |
---|---|
アリスより上位でフィニッシュ◎ | 1位なら◎ |
4位であったとしても、アリス3位なら◎ | 2位でもロレンツォが3位以下なら◎ |
5位であったとしても、アリス3位なら◎ | 3位でもロレンツォが6位以下なら◎ |
アリス4位以下なら◎ |
もちろんポイントリーダーのロレンツォの有利は変わらないが、この2人が同時に表彰台に上がらないことはほとんど無いため、1位~3位のポイント差が3pts以上あることを踏まえると、どちらが上位で終えるのかの、直接対決と言っても過言ではない。
おそらく表彰台にキングとクイーンに割って入るとするならば、悠然かソフィア、もしくはパーカーだろう。
上記3名の健闘にも注目だ。
今季2回目となるリボルバーストの周回制限解放
オーバーテイクを促進するブーストシステム「リボルバースト」は、常設のレギュレーション上は3周目以降から発動が可能だが、今季ブラジルGPのみ試験的に周回制限が解放された。
ファーストラップでの混雑時のアクシデントが課題とされていたが、NEXマシンの技術やAIサポートの進化もあり、懸念された問題は起きなかった。
そして今回、最終戦となる大阪関西万博記念サーキットでも、リボルバーストの周回制限が解放されることが決定した。
ソフィア・B・時任がブラジルで見せた最後尾グリッドからのリボルバーストは、グランプリを大いに盛り上げたが、タイヤが冷えた状態でのリボルバーストは、1発あたりの得られる恩恵が小さいため、全員が発動するかと問われるとそうではないだろう。
ロレンツォ、サマーウッドの予選順位によっては、この二人のどちらかが仕掛ける可能性もあるが、アクシデントに陥ればチャンピオンシップの行方はそこで決まってしまう。初めてのサーキットで、バースティング時の挙動が読めない中でリスクを冒すことも危険だと言える。
しかしながら、チャンピオンシップを争っていないドライバーからすると、キングとクイーンに割って入る最初のチャンスでもあるため、ファンにとってもレースが面白くなることは間違いないだろう。
誰が仕掛けるのか、アクシデントによりセーフティーカーが出てしまうのかなどにも注目したい。
ベストオブレストの戦い
ポイントランキングを争っているのは、ロレンツォとサマーウッドだけではない。
劉悠然、リチャード・パーカー、ソフィア・B・時任も、チャンピオンシップ3位をかけて熾烈な争いを繰り広げている。
悠然は43pts、パーカーが33pts、ソフィアが32ptsと列挙しており、悠然が余裕を持っているようにも見えるが、ソフィアが優勝して12ptsを獲得すれば、悠然はノーポイントで終えるわけにはいかない。
ソフィア以下のエメリッヒが5ptsということを踏まえると、彼女に失う順位はないため、捉え方によっては彼女が最も有利な立場なのかもしれない。
また、チャンピオンシップには影響しないが、後半戦に入って以降、武戦の輪堂凛の成長は目覚ましい。ジンのエメリッヒも、Rd.11で見せた速さは本物だった。
彼らがキングとクイーンの戦いに参加できるかは難しいかもしれないが、悠然、パーカー、ソフィアにとっては、無視できない存在であることは事実。
チャンピオンシップ3位の行方も、見どころ満載だ。
日本人NEXドライバーの活躍
最終戦を迎え入れる日本で、NEXファンが待ち望んでいることは、たった一つだろう。
日本人初のグランプリウィナーの誕生だ。
今季デビューを飾った、浅河カナタ、小町永遠、輪堂凛ら3人は全員が純日本人。一足先にデビューした若松やよいも、チームのマシン開発が厳しい状況の中で必死に戦っている。
数年前の深刻な円安が問題になって以降、積極的なインバウンド促進活動を行った日本では、国際意識が高まり、国境を越えての交流や結婚、ハーフなどに対しての抵抗もほとんど無くなったと言えるが、未だ「大和魂」は捨てきれていない部分もあるのだろう。
心のどこかで、純日本人という響きの心地よさを感じ、応援したくなる気持ちが倍増する。
先にも述べたが、武戦の輪堂凛は、シーズン序盤こそNEXの暴れん坊と批判されたこともあったが、直近ではその名のポジティブな部分の方が目立ってきている。
対して、イザナミの浅河カナタのゾーンに入った時のスピードは、キングやクイーンに匹敵することを証明してみせた。そして、小町永遠は日本人ドライバーのポイントリーダーだ。
彼女たちの活躍を、日本のNEXファンは期待せずにはいられない。
NEXレース最終戦の見どころ まとめ
それでは、最後にNEXレース最終戦の注目ポイントをまとめよう。
リボルバーストの周回制限解放が、以下の行方を左右するのか。
- チャンピオンシップの行方。ロレンツォとサマーウッドの直接対決!
- アリアンロッドのパーカーを食う「ベストオブレスト」、守る悠然vs攻めるソフィアの戦い
- 輪堂、浅河、小町、若松の中から、日本人ウィナーが誕生するのか?!
大阪関西万博記念サーキットでのグランプリは、6/21(金)25:53~、順次放送開始だ。
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